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2025年3月1日
■【はじめに】無人ATMにて
銀行の無人ATMに立ち寄った時のお話。私がブースの入口に立ったとき入れ替わりに1人出ていき、2台しかないATMはちょうど2人の人が使用中、という状況でした。並んで待っていると、私のすぐ前でATMを操作していたおばあさんが、困った顔をして私の方を振り向いたのです。もしや振り込め詐欺にでもあっているのかと思って近づいてみると、「カードが入らないの」と言うのです。見ると、カードの差込口に、前の人のカードが刺さったままになっていました。慌ててブースの外に出て見渡しましたが、さっきの人の姿はもう見当たりません。とりあえず、詐欺ではなくてよかった。
私は、刺さったままのカードを抜き取って、おばあさんに操作を続行してもらい、備え付けの電話で係員に連絡しました。
さあ、ここで問題です。無人ATMですから、この忘れ物のカードをそこらへんに置き去りにするわけにもいきません。係員は私に何と頼んだでしょうか?
1.係員が行くまでそこで待っていてください
2.近くの支店に届けてください
3.連絡箱に入れておいてください
答えは3.でした~。
壁に取り付けられた「連絡箱」の存在と役目を初めて知ったできごとでした。
■【今月のエッセイ】AIとお国柄
最近、パソコンにはAIが組み込まれていて、何か作業をしようとすると、勝手に先回りしてサポートしてくれようとします。Googleで検索を行えば、真っ先に表示されるのはAIによる回答です。インターネット広告でにっこり微笑む少女も、よく見れば生成AIで作られた非の打ちどころのない美少女。
気づかぬうちにAIを使っている日常。何を信じたらよいものかと不安な気持ちにさえなります。物心ついた時からAIに囲まれている今の子供たちは、いったいどのような感覚でいるのでしょう。
とまあ、そのようなことを心配するのは既に自分が世の中に着いていけていない証拠なのでしょう・・・。
さて、ここからは、インドネシアにおけるAI開発のお話です。
インドネシアでは、デジタル化そのものが欧米や日本よりも後発で、ほんの10年前は、まだスマホの普及率も低く、銀行口座を持っている人も成人人口の半分程度でした。それが今やスマホによるキャッシュレス決済は当たり前、SNS上にもAIによる投稿が増えてきました。
インドネシア政府によるAI開発への投資額も多く、アメリカ、オーストラリア、日本など、外国のAI関連企業との技術提携も急速に進んでいます。昨年、インドネシアの通信大手「インドサット」は、アメリカの半導体大手NVIDIAと共同でスラカルタ市郊外にAIセンターを設立すると発表しました。教育分野や医療分野でAIサービスの活用が進められているそうです。
このほどインドネシアで開発された生成AI「sahabat(サハバット)」は、インドネシアの文化や歴史的背景を詳細に学習していて、インドネシアに特化した生成AIなんだそうです。
生成AIと言えばChat-GPTが世界の標準のような気がしていましたが、中国の企業が開発したDeepSeekに中国の思考がばっちり反映されているのを見て、そうか、であればChat-GPTはアメリカの思想のもとに作られたものなんだろうなと思い至りました。インドネシアがインドネシア人のために開発した生成AIであれば、インドネシアの価値観が組み込まれていて御尤もですね。
日本人はAIによる利益より、どちらかというと弊害の方に着目しがちなのに対し、インドネシア人は比較的前向きに、楽観的に捉える傾向があるのだそう。
AIにもお国柄が存在し、AIの使い方には国民性が影響するということでしょうか。
いろんな国の思惑を適正にジャッジして、世界を平和に導いてくれるようなAIが開発されるとよいですねぇ・・・。
- 2025.09.12
- 10:36
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