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バティックとは

■バティックとは
バティックとは、インドネシアやマレーシアで生産されているろうけつ染めの布製品です。インドネシアのバティックは、ユネスコの世界無形文化遺産として認定されています。もともとは、貴族が着用する衣装の生地として作られ、染められる文様も、王族の紋章をモチーフにしたものがメインだったようです。
19世紀にインドネシアを統治下においたオランダ人が自国に持ち帰り、ヨーロッパに広まって大人気となりました。これを機にインドネシアでは、バティックを商品として生産するようになり、欧風のデザインや中国風のデザインのものも作られるようになりました。
生産される地方によっても色や絵柄に特徴があります。ジャワ島のものがとくに有名で、「ジャワ更紗」とも呼ばれています。 布地の素材はコットンが一般的ですが、シルク、レーヨンなども用いられます。

手描きバティックのテーブルクロス(植物と鳥)柄拡大 バティックのテーブルクロス(鳳凰)拡大1 バティックのテーブルクロス(フラワー)拡大


■バティックの作成方法
バティックの作成方法を簡単にご紹介します。

1.下書きをする
   デザインが描かれた原版の上に布を重ねて置き、鉛筆でなぞります。

2.ロウ付けをする
   下書きに基づいて、色を染めたくない部分(白く残したい部分)に、溶かしたロウを染み込ませます。
   このとき、チャンティンという専用の器具を使います。先端から少しずつロウが出てくる特殊な器具です。

3.染色をする
   筆などを使って生地に染料を塗ります。ロウが染み込んでいる箇所には染料が染み込まず、
   白く残ります。

4.ロウを落とす
   布を高温の湯につけてロウを洗い流します。

以上が基本的な工程ですが、実際には工程2と工程3を何回か繰り返します。例えば、既に染色された個所に被せるようにロウを染み込ませてからその周りを別の色で染色すると、最初の色は温存されるので、2色に染め分けることができます。多色使いの複雑な絵柄を染め上げるには、染める順番を緻密に計算したうえで、ロウ付けと染色を繰り返していくわけですね。大変な手間を掛けてバティックは出来上がります。

ロウ付け作業をしているところ



■ロウ付けの方法(手描き/型押し)
ロウを染み込ませる工程を、手描きではなく、型(チャップと言います)を使って判を押すように行う場合もあります。幾何学的な連続模様などは、チャップを使うことで生産スピードが速くなり、お値段も抑え目になります。

チャップ
チャップ2


■プリントバティック
ロウを用いず、布にバティックの図柄をプリントしたものもあります。これはプリントバティックと呼ばれていますが、製法を考えると「ろうけつ染め」ではないので、バティックとは呼べないかもしれません。しかし、ろうけつ染めでは不可能な細かい図柄が表現できますし、布の素材や色使いも自由なので、プリントならではの良さもあります。そしてなにより大量生産できるため、お値段はとてもリーズナブルです。

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