メルマガ バックナンバー
2024年4月1日
■【はじめに】「天下一武道会」はバリ島?!
漫画家の鳥山明さんが亡くなられ、海外からも哀悼の声が聞かれましたね。私は、漫画はあまり読まないのですが、「Dr.スランプ」や「ドラゴンボール」のアニメ放送は見たことがあります。
ところで、ドラゴンボールに登場する「天下一武道会」の開催地「パパイヤ島」は、バリ島がモデルになっているのをご存じですか? パパイヤ島にあるお店の看板は、インドネシア語で書かれていますし、通行人はバリの民族衣装を身に着けています。天下一武道会の会場の入り口は、バリ寺院の割れ門そのものです。
インドネシアでもドラゴンボールは大人気です。作品は全42巻で完結していますが、インドネシアには幻の第43巻が存在するんですって。完結を惜しんだインドネシアの誰かが、勝手に創作しちゃったそうです。
■【今月のトピック】コッペパンと瓶牛乳
私が小学生だったころは、給食と言えばコッペパンに瓶の牛乳が定番。おかずはカレーや白身魚のフライなんかが記憶に残っています。揚げパンやフルーツポンチが出る日は楽しみでした。まあ、今思えばそれほど美味しくはなかったですね。
しかし、今の給食は、ちゃんと美味しくてとてもバラエティーに富んでいるのですってね。ご当地メニューがあったり、世界のいろんな国の料理が出てきたりするそうです。ルーマニア料理、トルコ料理、ブラジル料理など、大人だって食べたことのないような料理が出され、デザートも、アイスやケーキやパイなど、数種類から選べるんだとか。羨ましい~。でもコッペパンと瓶牛乳も、よい思い出です。
ところで、インドネシアはどうかと言いますと、公立小学校には基本的に給食はありません。授業は午前のみで終わります。生徒数が多い地域では、少ない校舎を有効活用するために午前・午後の交代制となります。午前の部の人はなんと6時半から授業が始まるそうですよ。日本人から見ると早いなぁと思いますが、インドネシアでは、イスラム教の朝のお祈りの時間が4時ごろなので、皆そのくらいには起きているんですって。
給食がない代わりに、ケータリング業者と契約している学校もあり、ランチが必要な場合は事前に注文しておくそうです。また、学校の行き帰りにご飯やおやつを買うことも普通になっているそうですよ。授業が終わる時刻になると、校門近くに出店を出して待ち構えている業者もいるくらい。
でも、お昼ごはんを子供に任せていると、甘いものばっかり食べてしまったり、あるいはお小遣いがなくてお昼ご飯を買えない貧困家庭の子供などもいて、少なからず問題になっているとのだとか。
インドネシアの次期大統領に当選したばかりのプラボウォ氏は、学校給食の全国的な無料提供を公約に掲げています。2025年にこれを開始する予定で予算を組み、既に試験的に提供を開始した学校もあると聞きます。インドネシア人はお米が大好きで、パンでは食事した気がしないそうですから、給食もきっとお米が中心でしょうね。
当選が決まったとはいえ、プラボウォ氏が実際に大統領に就任するのは2024年10月。就任前でも公約の実現に向けて早くも手を打つとは、なんとも素早いですね。
それに比べて日本の学校給食の無償化は自治体によってさまざまで、全国的に実施されているとは言えない状態。あっと今にインドネシアに追い越されそうですね。
- 2024.09.01
- 11:37
2024年3月1日
■【はじめに】イメージ戦略?!
先月、インドネシア大統領選挙が行われました。正式な結果はまだ発表されていませんが、事前の世論調査で支持率が50%を超えていたプラボウォ氏が、予想通り当選確実と見られています。
プラボウォ氏は、可愛いイメージキャラクターを作ってSNSでアピールしたり、集会に歌手やコメディアンを登場させ、ダンスを踊ったりして、音楽フェスのような盛り上がりだったそうですよ。親しみやすさを演出して、若者の支持を獲得したのも勝因の一つなのでしょうね。
インドネシアは平均年齢が32歳。 若者票の影響は大きいのでしょう。
様々な民族の、数億の国民から、いかにして票を集めるかにかかっているわけですから、お堅い正論ばかり唱えていてもダメなのかもしれませんね。結局は、「イメージ戦略」なのでしょうか。
■【今月のトピック】バリの正月「ニュピ」
インドネシアはイスラム教大国として知られていますが、バリ島は特殊で、ヒンドゥー教徒が大半を占めています。インド発祥のヒンドゥー教が、バリ島で独自の解釈の元、「バリヒンドゥー教」として定着しているのだそうです。島民の日々の生活もバリヒンドゥーの暦に従っています。
バリヒンドゥーの暦は特殊かつ複雑な周期で、太陽暦を基準に考えると正月の日取りが毎年異なります。今年の正月は、3月11日。この日は「ニュピ」と呼ばれ、盛大な儀式が行われます。
まず、ニュピの前日、つまり大晦日に相当する日は、「オゴオゴ」という悪霊を追い払う儀式が行われます。悪霊にお供え物をし、それを食べた悪霊を、楽器を打ち鳴らしながら追い払うのです。オゴオゴに見立てた巨大な人形が据えられた山車を男たちが担ぎ、町や村を練り歩くと、各家庭から追い払われた悪霊が人形に乗り移ります。夜遅くまで松明を燃やして大騒ぎをしながら練り歩き、最後に人形を燃やすんですって。
ちなみにオゴオゴ人形は、こんな感じです。
https://www.travelbook.co.jp/event/296
怖いけどどことなくユーモラスで、燃やすのが勿体ないくらいよくできていますよね。
「バリ島 ニュピ オゴオゴ」などのキーワードで検索すると、いろんな写真が見つかると思いますので、探してみてくださいね。
ニュピ当日は、悪霊が町を去っていくのを待つ日。人々は静かに瞑想しながら1日を過ごします。この日は「外出禁止」「殺生禁止」「労働禁止」「火や電気の使用も禁止」です。バリヒンドゥー教徒のみならず、バリ島に住んでいる人全員、そして観光客も、このルールに従わなければならないのです。
観光客はホテルから外に出られません。仮に外に出てもお店は営業していませんし、バスやタクシーも走っていません。大きなホテルであれば、屋内のレストランやスパを昼間だけ営業しているところもあるようです。夜は外に光が漏れないように、部屋のカーテンを閉め、最小限の照明で過ごさねばなりません。もちろん、予め用意しておいた食べ物やお酒を部屋で楽しむ分には全く問題ありません(笑)。
ニュピの日は、バリ島全体が静寂に包まれ、鳥の声や虫の声など、自然の音しか聞こえない一日となるのです。夜は真っ暗で、めちゃくちゃ美しい星空を見ることができるそうですよ。ぜひ一度体験してみたいものですね。
- 2024.08.02
- 09:31
2024年2月1日
■【はじめに】大安とか仏滅とか
冠婚葬祭をはじめ、ちょっとしたイベントを行うのにも、六曜を気にすることってありますよね。自分は気にしないけど人様が気にするから」と日取りを変更したり、何か失敗した時の言い訳に使ったり。
六曜って、6種類がただひたすら繰り返されているのかと思いきや、よく見るとそうではないですよね。いったいどんな法則になっているのだろうと思っていたところ、先日ひょんなことからその答えが見つかりました。
大河ドラマ「光る君へ」の初回放送の冒頭にいきなり陰陽師が登場したので、ちょっと陰陽師について検索してみたところ、六曜というのは陰陽師が使っていた暦法のひとつだと書かれていました。
新月の日、つまり旧暦で1日にあたる日は、六曜が決まっているのだそうです。1月と7月は「先勝」、2月と8月は「友引」、3月と9月は「先負」、4月と10月は「仏滅」、5月と11月は「大安」、そして6月と12月は「赤口」。つまり、新月を迎えるタイミングで順番がリセットされるということなのですね。
■【今月のエッセイ】バリの占い師
私が8年前にこのショップを開くにあたり、バリ島に初めて買付に行った時のお話です。
買付3日目の朝、ホテルを出て、今日はどんなものに出会えるかしらとワクワクしながら、街に向かって歩いていたとき、一台のバイクが後ろから私を追い越して停まりました。そして乗っていた男性がヘルメットを脱ぎながら私に話しかけてきたのです。日本語で。日に焼けた40歳くらいのインドネシア人です。これは何か売りつけようとしているに違いないと思い、やり過ごそうとしたのですが、やたらと熱心に呼び止めるので、足を止めました。
聞くとその人は、最初は私の正面からバイクでやってきていったん通り過ぎたものの、引き返して来たのだそう。なぜかというと、私がすごいオーラを放っていたからとのこと。ははーん、これはますます怪しい。
その男性、「ワタシは、占い師デス。」という。そして「あなた、スゴイ運持ってる。なにか商売始めるとイイよ。」と言うのだ。えっ、なぜ商売始めるってわかったんだろう、とつい身を乗り出してしまい、しばらく立ち話をしてしまいました。
結局、何かを売りつけられることもなく、「よかったらここを訪ねてきて」と名刺を渡して去っていきました。名刺の肩書には「Balian」と書かれていました。
Balian(バリアン)とは、バリ島で古くから聖なる力を持っているとされる占い師です。不思議な力で病気を治したり、呪いを掛けたり解いたり、神のお告げを伝えたりするのだそうです。Balianは誰でもなれるわけではなく、多くは世襲制で、占星術や暦法、薬草術などを代々受け継いでいるのだとか。
そんなBalianに「商売を始めるといい」と告げられて8年、おかげさまで楽しく商売をさせていただいております。
そういえば、あのBalian、「儲かるよ」とは言ってなかったなぁ・・・。
- 2024.06.30
- 11:38
2024年1月1日
■【はじめに】サボテン親子
当店のブログに何度か登場している植物のひとつに「カルメナエ」というサボテンがあります。3年ほど前に、近所の園芸店で一目惚れして購入したものです。丸っこくてちょこんと花を咲かせた姿が、それはそれは可愛らしかったのですが、その後の変形っぷりに、「騙されたー」と思ったものでした。
しかし、その体形の崩れた母からは子株がたくさんできて、株分けして増やしてみたところ、若かりしころの姿にそっくりな可愛らしい娘たちに成長したではありませんか!
真冬に咲いた小さな花は、私の毎朝の楽しみになっています。
サボテン親子の姿は、
こちらのブログでご覧くださいね。
■【今月のエッセイ】今年は大統領選挙
インドネシアでは、今年2月に大統領選挙が行われます。現大統領のジョコ氏は、憲法で定められた最長2期10年を務めて今年10月に退任となります。
次期大統領立候補者は3人います。支持率が一番高いのがプラボウォ氏(72才)。プラボウォ氏は元軍人で、ジョコ大統領と過去2回争って2回とも敗れています。次に支持率が高いのがガンジャル氏(55才)。ガンジャル氏は庶民出身で、ジョコ大統領と同じ政党に所属しています。この2人は、ジョコ大統領の路線を継承する意を示しています。最後の1人アニス氏(54才)は、ジョコ大統領の政策に批判的で、ジョコ大統領が進めてきた首都移転計画を見直そうとしているのだそうです。
アメリカと同様、インドネシアでは、大統領と副大統領とが2人1組で立候補するのですが、プラボウォ氏が副大統領候補に据えたのは、なんとジョコ大統領の長男ギブラン氏。
えっ、ややこしくない??
そうなんです、ややこしいんです。プラボウォ氏が当選すれば副大統領はジョコ大統領の長男、一方ガンジャル氏はジョコ大統領と同じ政党。どちらが当選しても、引き続きジョコ大統の影響力が及ぶことが否定できません。
しかも、ギブラン氏はまだ36才で、もともと立候補資格がなかったのに、立候補者登録開始直前に法律が変わり、年齢制限が押し下げられたのだそう。そのときの裁判所長官は、ジョコ大統領の義弟でした。
なんだか曰く付きの大統領選となりそうですね。
- 2024.05.28
- 15:08
2023年12月1日
■【はじめに】パソコンを買い換えました
今から1年ほど前、TOKO PLUMERIA開業時から使ってきたノートPC が急に充電できない状態に陥って大いに焦りました。電源コードを交換したら無事に充電できるようになったので、そのまま使い続けてきましたが、その後、画面がチラついたり、勝手に再起動したりすることが増え、ついにはインターネットに接続できなくなってしまいました。ということで、観念して新しいPCを買いました!
新しいPCは、動作が速く、画面も一回り大きくなって、見やすく快適です。Windowsも新しいバージョンになり、驚くような新機能も。「あら、これは便利だわぁ」と感心したり、「え、今ってそうなってるの?!」と戸惑ったりしながら作業しています。
自分自身も積極的にアップデートしていかないといけないなぁと感じる今日この頃です。
■【今月のエッセイ】インドネシアのクリスマス
インドネシアは、人口の8割以上をイスラム教徒が占めています。キリスト教徒は1割にも満たないそうですが、12月25日は祝日となっていて、クリスマスのお祝いをします。クリスマスイブは毎年必ず祝前日、というのは、ちょっと羨ましいですね。
都市部では日本と同じように、ショッピングモールやホテルに大きなクリスマスツリーが飾られます。クリスマスツリーといっても、本物のモミの木ではなく、たいていプラスチックでできています。最近は、SDGsの観点から、使い古しのバティック生地で作られたツリーなんかも登場しているそうですよ。
クリスマスセールも開催され、サンタクロースの恰好をした店員さんも見かけます。ごちそうやケーキを食べたり、イルミネーションや花火の打ち上げなどもあり、みんなお祭りムードを楽しむようです。
ショッピングモールにはクリスマスソングが流れていますが、ある時間帯になるとイスラムのお祈りの合図「アザーン」が流れるというのも、多様性の国インドネシアならではの光景です。
子供にクリスマスプレゼントを渡したり、恋人同士でプレゼントを交換したりする風習はもともとはなかったそうですが、最近は外資系企業の影響もあってか、社内でパーティーを開いたり、社員同士でプレゼント交換をしたりする会社も増えてきたそう。学校でもクリスマス会が行われたりするそうです。
日本ではこの時期、クリスマス以外にも、忘年会があったり、大掃除をしたり、田舎に帰ったり、お正月の準備をしたり、とたいへん慌ただしいですよね。皆様もどうぞ、よいクリスマスをお過ごしください。
- 2024.04.30
- 16:01
2023年11月1日
■【はじめに】無宗教力
古今東西、多くの戦いや犯罪の種となっているのが宗教ですよね。宗教が原因で、家庭が崩壊したり、多くの命が失われているという現実。いったい何のための宗教なのか、なぜ世界中に宗教が存在するのか、などとガラでもなく考えてしまいます。
宗教を否定するわけではないのですが、宗教と実生活とを無意識に切り分けられる気質、宗教にとらわれない精神力、というのも、自分らしく生きるための大事な力なのではないでしょうか。
「困ったときの神頼み」的な生き方の方がシアワセなのかもしれません。
■【今月のトピック】インドネシアの高速鉄道、発進!
先月、インドネシアで、東南アジア初の高速鉄道が開業しました。最高時速は350Km、ジャカルタとバンドンの間、約140Kmを36分で結び、従来の所要時間の1/4 になったそうです。
「バンドンが通勤圏内になった」と大いに期待されているそうですが、運賃はかなり高額で、庶民が気軽に利用できるものではないと聞きます。日本で例えると、軽井沢に住んでいるちょっとリッチなサラリーマンが、北陸新幹線で東京に通勤するイメージでしょうか。
この高速鉄道の導入にあたっては、当初は日本の新幹線方式が採用される計画だったものを、土壇場で中国にとって代わられた経緯があります。中国が「一帯一路」構想の一環として、「インドネシア国費には負担をかけない」という提案をしてきたからです。ところが、建設用地の買収に手間取り、コロナの影響で計画が遅れたりして、結局インドネシアも国費を支出せざるを得なくなりました。
当初の予定より5年も遅れての開業となったわけですが、もうすぐ任期の切れるジョコ大統領としては、自分の任期内に開業にこぎつけてホッとしていることでしょう。
「ジャカルタとバンドンの間」といっても、実はジャカルタ駅とバンドン駅が直結されたわけではありません。ジャカルタ駅からやや離れたハリム駅と、バンドン駅からやや離れたテガルアール駅とを結んでいます。それってちょっと不便な気がしますが、理由があります。ジャカルタ駅とバンドン駅の周辺は交通渋滞が酷いので、わざと少し外れたところを発着駅とし、渋滞を緩和する意図があったそうです。なるほど。
この高速鉄道に乗車するには手荷物検査を受ける必要があり、車内ではインターネットも利用できるなど、セキュリティや利便性を供えているそうです。また座席には可動式の枕が付いていて、揺れも騒音もかなり抑えられているんですって。なかなか快適そうですね。
- 2024.03.30
- 15:11
2023年10月1日
■【はじめに】小さい秋
東京は、ようやく秋らしくなってきました。
我が家のベランダに、秋明菊が可憐な花を咲かせました。あまりの猛暑だったので心配しましたが・・・。
この秋明菊は、昨年末に実家から移植したもので、亡き父が大切に育てていたものなのです。実家は今年3月に人手に渡ってしまいましたが、庭にはまだたくさんの株が残っていましたから、今頃同じように花を咲かせていることでしょう。新たな住人も楽しんでくれているといいなぁと思っています。
■【今月のエッセイ】4年ぶりのバリ島
4年ぶりにバリ島へ行ってきました。インドネシアへの入国および日本への帰国に際しては、コロナワクチン接種証明やPCR検査結果の提示などの条件もすべてなくなり、コロナ前と同じように行けるようになりました。
私はいつもウブドという街に滞在しますが、4年前と変わっていたことがいろいろありました。
まずは、交通事情。ウブドの街は信号が無く、路上駐車も横行していたため、渋滞が酷かったのです。それがかなり解消されていました。相変わらず信号は無く、車やバイクはめちゃくちゃ多いのですが、一応、流れています。運転手さんに聞いてみたら、路上駐車が禁止になり、一方通行のルールも改善されたからだそうです。
2つ目は、サッカー広場がなくなったこと。私がウブドの街を歩き回るときに目印にしていたサッカー広場が、なんと駐車場になっていました。路上駐車をせずにここに停めることになったのですね。子供たちが元気にサッカーをしたり、学校帰りにアイスクリームを食べながら木陰でおしゃべりしていた姿が消えてしまったのはちょっと寂しいですが、交通事情の改善のため仕方がなかったのでしょう。
駐車場といっても、アスファルト舗装されてしまったわけではなく草地のままでしたので、もしかするとここは臨時の駐車場で、いずれまた広場に戻すつもりなのかもしれません。
3つ目は、ウブド市場がめちゃくちゃ綺麗になっていたことです。ウブド市場と言えば、迷路のような路地に露店がひしめきあい、ドリアンの香りが漂う中、バイクの間を縫うように歩くうちに、私はかならず迷子になっていましたが、4年の間にすっかり綺麗な建物に変わっていました。店は区画内にきっちり収まり、入口には誰かの銅像まで建っているのです。
最後に、モンキーフォレストのおサルさんたちが、お行儀よくなっていたこと。自然公園「モンキーフォレスト」に棲むサルは野生ですし、敷地に囲いなどないので、自由に外を出歩きます。以前は、道を歩く観光客のサングラスを掠め取ったり、手にレジ袋を提げていると食べ物だと思って襲ってきたものです。今回はサルたちが大人しくしているので、安心して道を歩けました。どうやって手懐けたのでしょう。それとも自然とそうなったのでしょうか・・・。
というわけで、コロナ禍で観光客が激減していたからこそできることをして、回復に備えていたのが伺えました。
旅の写真をこちらにアップロードしましたので、覗いてみてくださいね。
- 2024.02.28
- 20:16
2023年9月1日
■【はじめに】エアコン最高
我が家のリビングのエアコンは12年前に購入したものでしたが、7月ごろからだんだん効きが悪くなり、猛暑の真っただ中、「もうお手上げ」とばかりに熱風しか吐き出さなくなりました。窓を開けた方が涼しいくらい。
コンセントを抜いてしばらく放置した後に再稼働すると、少しの間復活するという裏技を駆使したり、隣室のエアコンを点けて扇風機との合わせ技でリビングに冷風を送ったりしながら約1カ月。
そして8月末、ちょっとばかり値段が下がったのを見計らってようやく買い替えました! 最近のエアコンは、省エネ設計で、音も静かで、風も柔らかいですね。最高です。
■【今月のトピック】独立記念日と運動会
インドネシアの独立記念日は8月17日です。第2次世界大戦の終戦が1945年8月15日、その2日後にインドネシアは独立を宣言しました。オランダの統治下に340年間、その後日本の統治下に3年間という、長い植民地時代を経ての独立宣言でした。
独立記念日には、式典やパレードが行われるほか、全国各地で運動会が開催されるのだそうです。運動会と言っても、真面目な陸上競技ではなく、どちらかというと余興とも言えそうな競技を国民みんなで楽しむのですって。
綱引き、パン食い競争、風船割り、竹馬レース、自転車レース、棒登りなどがあるそうですが、日本のそれとはちょっと違っています。例えば、パン食い競争といってもパンではなく、クルプックという海老せんべいのようなお菓子が吊り下げられていて、手を後ろに縛られた状態でかぶりつきます。風船割りは、小麦粉が入っている風船を、目隠しをした状態でナスやキュウリで叩き割ります。ナスやキュウリの方が先に割れてしまいそうですね。自転車レースは、遅くゴールした方が勝ちで、途中で地面に足をつけたら失格となります。棒登りはチーム戦で、棒の上に括り付けられた景品を取ったチームが勝ちなのですが、なんと棒には油がたっぷり塗られているので、ツルツル滑ってなかなか登れないのですって。
なんだかどれも楽しそうですよね。
そもそもなぜ独立記念日に運動会なのかと言いますと、実は、深~い意味が込められているのだそう。クルプック食い競争は、食べるのに苦労した植民地時代を忘れないために。綱引きや棒登りは、団結し協力し合うことの大切さを。竹馬は、踏み出すのを躊躇すると倒れてしまうことから、前進し続けることの大切さを、意味しているのだそうです。もちろん、インドネシアの人々は毎年そのような意味を噛みしめながら運動会に参加しているわけではないでしょうけどね。
コロナ禍の間は、まともに開催できなかったそうですが、今年は4年ぶりに通常開催できる喜びも加わって、以前にも増して盛り上がりを見せたことでしょう。
- 2024.01.31
- 16:56
2023年8月1日
■【はじめに】大好きなはずなのに
もう、8月ですね! というべきか、まだこれから8月なんだっけ! というべきか・・・。
私は、暑さには強い方で、夏が大好きなはずなのですが、さすがに数年前から好きとは言えなくなってきました。水筒や日傘は必携ですが、荷物が重くなってますます大変なんですよね。
暑さもさることながら、降れば大雨ですし、コロナもまだまだ流行っていますし、久々のイベントなどに出掛ければ3年分の人出ですものね。
皆様もどうぞ、お気をつけて、夏を乗り切りましょう。
■【今月のトピック】インドネシアのことわざ その2
以前のメルマガで、インドネシアのことわざをいくつかご紹介しました。そのときは、直訳しただけで意味が通じるものを集めてご紹介したのですが、今回は、もう少し難問もご用意しました!
まずは難易度低めのものから。
Sudah jatuh tertimpa tangga.
ハシゴから落ちた後にその下敷きになる。 ( ⇒ 泣きっ面に蜂 )
災難なのに、なんだかクスっと笑っちゃいそうなことわざですね。
では、これはどうでしょう?
Ringan tangan.
手が軽い。 ( ⇒ 気軽に人の手助けをする人 )
日本語の「手が早い」と似てますが、全く違う意味でした!
お次は、難易度「中」を2問。
Memperjuali orang Cina penjahit.
中国人に針を売る。 ( ⇒ 釈迦に説法 )
その昔インドネシアにやってきた華僑は、商いに長けており、特に日用雑貨を売って儲けていたそうです。つまり、このことわざは、その道に長けている人に道を説く、という意味なのだそう。
Umpama memerah nyiur, santan diambil, ampas dibuang.
椰子の実はココナッツを採り、カスは捨てよ。 ( ⇒ 鵜呑みにするな )
人の話は良し悪しをわきまえて聞きなさい、ということですね。
最後は難易度「高」です。
Biduk lalu kiambang bertaut.
舟が過ぎれば浮草はまたくっつく。 ( ⇒ 人の喧嘩に首を突っ込むな )
「喧嘩してもまた仲直りする」「時が解決する」というような意味なかと思いきや、もうひとヒネリあるのですね。「人の争いに首を突っ込むと、当人同士が仲直りした後、気まずい思いをする」という意味だそうです。これはなかなか奥が深いですね。
ちなみに、前回ご紹介したことわざ集は、こちらのメルマガバックナンバーのコーナーでお読みいただけます!
- 2024.01.05
- 09:26
2023年7月1日
■【はじめに】天皇皇后のインドネシアご訪問
先日、天皇皇后両陛下がインドネシアを訪問されましたね。
天皇陛下がボロブドゥール遺跡を歩かれる様子や、皇后様がバティック製作を体験されたりする姿が報道されました。バティックを肩に羽織った皇后様の笑顔がとても印象的でした。
■【今月のトピック】バティックの紋様には意味があるんです
バティックとは、ひと言で言えばインドネシアのろうけつ染めです。ろうけつ染めとは、熱したロウで布に紋様を描いてから染料に浸すと、ロウを塗った部分には染料が染み込まず、ロウをお湯で洗い流すと紋様が白く浮き出る、という現象を利用した技法です。
バティックの作成工程については、こちらでも紹介していますので、ご覧くださいませ。
そもそも、なぜロウを使うようになったのでしょうね。きっと最初は、灯りに使っていたロウをうっかり着ていた服に垂らしてしまい、そのまま野良仕事をしていたら、その部分だけ草の汁や泥に汚れなかった、なんてことから始まったのではないでしょうか。「試しにロウで絵を描いて、草花の汁で染めてみよう」などと、楽しみながら発展してきたのではないかなと、私は勝手に想像しています。
昔から、バティックを作るのは女性の仕事だったようで、各家庭で糸を紡ぎ、布を織り、身につける人の健康や幸せを願いながら紋様を描いたそうです。
バティックに描かれる紋様は実に様々で、それぞれに名前と意味があります。
たとえば、天皇陛下がボロブドゥールを見学されたときにお召しになっていたバティックには、小さな花柄模様のようなものがたくさん描かれていますが、これは「トゥルントゥン」という紋様です。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230622/k10014106311000.html
小花に見えますが、夜空の星を表しているそうで、この紋様の誕生にはこんなエピソードがあります。
ソロ地方の王宮に嫁いだ王妃が、あるとき王と不仲になってしまい、孤独な日々を送っていました。ある晩、夜空の星に希望を託しながらその星をバティックに描いていたところ、王がその姿を見つけて王妃の一途な心を知り、再び愛が芽生えた、というものです。よってこの「トゥルントゥン」は、「愛の芽生え」とか「辛い時も希望を持つ」というような意味があるそうで、結婚式のときに花嫁の母が、真の愛への導きを込めてこの柄のバティックを身に着ける風習があるのですって。
もう一つ、よく用いられているパラン紋様をご紹介。こちらは剣を表す紋様を斜めに連続に配したもので、「戦い」「権力」「強さ」を意味しています。剣には見えないかもしれませんが・・・。
戦いを意味するので、結婚式で着てはいけないそうです。
トゥルントゥンとパランについては、こちらのバティックをご参照くださいね。
- 2023.11.29
- 14:10