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2021年6月1日
■【はじめに】渋沢栄一と方言
大河ドラマ「青天を衝け」、ご覧になっていますか? 渋沢栄一の生まれ故郷、深谷市は、今いろいろなテレビ番組で取り上げられ、「ネギだけじゃないぞ」とアピールしきりですね。
私の生まれ故郷は深谷市のすぐそばです。渋沢栄一は地元の有名人として、名前だけは子供のころから聞いていたものの、具体的に何をした人なのかよくわかっていませんでした。今年大河ドラマを見て初めて知ることが多く、勉強にもなるし、懐かしさも感じます。
懐かしいと言えば、あの方言! 「だんべぇ」「なから」「~だに」など、まさに私の祖父・祖母の世代が使っていた言葉なのです。ちょっと荒っぽいので、女性はあまり使わなくなりましたが、地元の男性の間では今も普通に使われています。
そんな深谷の方言に加え、話が進むにつれて京ことばや、薩摩弁、長州弁が入り混じってきた「青天を衝け」、字幕があるといいなあと思いながら見ています。
■【今月のトピック】インドネシアの言葉
インドネシアはたくさんの島で成り立っていますが、島の数はどのくらいかご存知ですか?
おおよそ13,500だそうです。ちなみに、日本の島の数は6,852だそうですから、日本の約2倍の数の島があるのですね。
少し前まで、インドネシアの島の数は、18,000を超えると言われていたのですが、衛星写真で数え直したら、実際には4,500も少なかった、とのこと。地球温暖化によって海面下に沈んでしまったり、火山の噴火で消滅した島もあるのかもしれません。それにしても、ちょっと多く見積もり過ぎだったのでは(笑)・・・。
ところで、こんなにたくさんの島があると、日本以上に方言が存在するのでは、と思いますよね? インドネシアで使われている言語は、700種類ほどあると言われています。そしてこれらは方言というレベルではなく、全く異なる言語で、お互い全然通じないのだそう。同じジャワ島の中でも、東側と西側で言葉が違うんですって。
インドネシア一帯が陸続きだった時代、まだ言葉を持たない人類(ジャワ原人ですね!)が広く住んでいて、海面の上昇によって島々に分断されたり、同じ島の中でも険しい山に隔てられ、その後それぞれに言語が作られてきた、ということなのでしょうね。
公用語としてインドネシア語を用いるようになったのは、20世紀になってからのこと。インドネシアが一つの国家として独立するためには言語の統一が不可欠と考えてのことだそうです。今からたった100年前のことなのですね。
インドネシアの子供たちは、まず地元の言葉を聞いて育ち、小学校でインドネシア語を習います。だから、インドネシア人ってみんなバイリンガルなのです。家族や地元の人たちとは地元の言葉で話し、異なる地域の人たちと話すときはインドネシア語を使います。
私たち日本人は、故郷の仲間と方言で会話するとそのころに戻った気分を味わえますが、インドネシアの人々もそういう感覚があるのかもしれませんね。
- 2021.08.31
- 21:58
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