2020年7月1日

2020/09/30

■【はじめに】レジ袋の有料化始まる

プラスチック製レジ袋の有料化が始まりましたね。みなさん、マイバッグの準備はOKですか? 折り畳めるトートバッグ、当店も販売していますので、まだお持ちでない方はぜひ!(笑)
とはいえ、家庭ごみを収集に出すときには、水分を通さない袋がどうしても必要なので、ときどきお金を払ってでもレジ袋をもらうか、別途購入することになりそうです。どちらがコスパがよいかしら、などとつい計算してしまいますよね。

ところで、すべてのレジ袋が有料になるわけではないのだそう。厚さが50μm以上のレジ袋は繰り返し使えるからという理由で、また植物由来の素材が25%以上含まれるレジ袋は計算上CO2排出量が抑えられるという理由で、有料化の対象ではないそうです。そういった袋を導入して今後も無料配布を続けるお店もあるようですから、そちらにお客さんが流れる現象も起きるでしょうね。しかし、植物由来素材が25%以上だとしても、自然界の中で分解されないことに変わりはないのですけどね・・・。

そうそう、最近は不織布マスクが道端に落ちているのをよく見かけますが、不織布の主な原料はポリプロピレン。つまりはプラスチックです。マスクのポイ捨ては、衛生上の問題だけでなく、レジ袋と同様に環境問題にも繋がってしまいます。気をつけたいものですね。


■【今月のトピック】インドネシアのプラスチックごみ対策

インドネシアではすでに昨年あたりから一部の自治体で、レジ袋が有料化されています。私がバリ島でいつも立ち寄るスーパーも、昨年行ったときにはレジ袋が提供されず、繰り返し使えるという布製の袋を50円ほどで買う羽目になりました。ど派手な緑色の袋で、肩に掛けて持ち歩いていたら、着ていたTシャツの腰の部分が緑色になり洗濯しても落ちませんでした。次回はマイバッグ持参で行きます。

それはさておき、今日はインドネシアのプラスチックごみ対策をご紹介したいと思います。
インドネシアは、海洋プラスチックごみの排出量が、中国に次いで世界第2位という不名誉な実態が明らかになっています。これらの国は、外国からリサイクル用のごみを輸入していて、処理しきれずに不法投棄されていることもこの事態の原因の一つとなっています。日本も、リサイクルごみをこれらの国に押し付けていることは、メルマガで今までに何度かお話ししたとおりです。
中国がごみの輸入を拒否するようになってからは、その引受先が東南アジア諸国に移ってますます輸入量が増えてしまったインドネシアですが、このほどようやく、ごみの輸入を規制する動きを取り始めました。そして、2025年までに海洋プラスチックごみの排出量を70%削減するという目標を立て、様々な取り組みを行っています。

例えば、ごみを焼却するときの熱で発電を行う施設が作られたり、道路を舗装するアスファルトに廃プラスチックを混合する試みなどが行われています。ペットボトル5本を市バスの乗車券と引き換えてくれる市もあります。
「ごみ銀行」というシステムもあります。ごみを持ち込むと預金通帳ならぬ「預ごみ通帳」に記録され、ある程度溜まると現金を引き出せるのだそう。持ち込めるごみの種類は、堆肥などに加工できる有機廃棄物と、リサイクルできるプラスチックや金属などです。ごみ銀行は、集まったごみをリサイクル業者に売って利益を得ているそうですが、その利益は、大きい銀行で月500 万円程度だそうです。最初のごみ銀行は2008年に設立されましたが、今では国内に7,000か所以上もあるそうです。

最後に、インドネシアのユニークな事例を2つばかり。
プラスチックに代わる素材として、海藻でできた袋やストローなどが開発されました。食べられるんですって。お湯に溶け、無味無臭なので、この海藻袋に入ったインスタントコーヒーや砂糖は、袋のままカップに入れてお湯を注げばよいのだとか。
プラスチックごみを燃やして燃料を抽出する装置を発明した若者もいます。この装置を実際にバイクに積んで、プラスチックごみを拾って燃やしながら120Kmのツーリングを行ったのですって。バック・トゥ・ザ・フューチャーのデロリアンみたいですね。そういえば日本でも何年か前にリサイクルごみで走る「デロリアン」を作った人がいましたよね。時空は飛び越えられなくても、ごみ問題に寄与できそうな車は、もう現実のものとなっているのですね。