2017年5月1日

2017/05/31

■【はじめに】植物に元気をもらう

緑が美しい季節になりました。花も豊富でガーデニングにも最適な気候。庭に色とりどりの花が咲き乱れていたり、玄関先を寄せ植えでセンス良く飾っているお宅を見ると、ステキだなぁと思います。
私はマンション住まいなので庭はありませんが、ベランダでわずかながらコンテナガーデニングを楽しんでいます。とはいえ、割とズボラな性格なもので、季節ごとに花を植え替えたり、こまめに手入れしたりするのはちょっと面倒。それに、あまりお金もかけたくないのが本音。なので結果的に我が家のベランダで生き残っているのは、ほったらかしで大丈夫な植物たちばかりです。春先になるとお約束のように花を咲かせてくれるスイセン、ムスカリ、ツルニチソウ。一年中緑のモンステラやヒューケラ。伸び過ぎた枝を切って土に挿しておけば勝手に育っていくゼラニウム。冬の間、土の中で眠っていたギボウシやスズランがいつの間にか元気に芽を出していたりすると、おお、お前そこにいたのか、と声を掛けたくなります。
春は、植物からいちばん元気をもらえる季節。世界情勢が不穏でも、日本の政治が不信でも、毎日電車が遅れても、体の節々が痛くても、とりあえず今日も前向きに!


■【お知らせ】買い付けのため臨時休業します

6月1日~5日は、買い付けのため臨時休業いたします。ご注文はお受けできますが、発送作業はお休みさせていただきますので、ご了承くださいませ。


■【今月のお話し】インドネシアのコーヒー

インドネシアは、世界第3位のコーヒー生産量を誇っています。どんな銘柄があるかご存知ですか? スマトラ島で生産されるマンデリン、スラウェシ島で生産されるトラジャなどがよく知られています。いずれも酸味がなく、苦みとコクが深いのが特徴です。また、あまり出回っていませんがスマトラ島のガヨ地区で生産されているガヨマウンテンという豆もあります。
私は、喫茶店に入って、マンデリンかトラジャがあればたいていそれを頼みます。また、いつだったか知人からガヨマウンテンの豆をいただいて自宅で挽いて飲み、それまでに飲んだコーヒーの中で一番おいしいと思いました。これらの豆がいずれもインドネシアで生産されていることを知ったのは今から10年ほど前です。

さて、世界一高級なコーヒーと言われるルアックも、インドネシアで生産されています。ルアックとは、ジャワ語でジャコウネコのこと。そう、ジャコウネコの糞から作られているコーヒーとして有名ですよね!
あ、ちょっと省略し過ぎました。ちゃんと説明します。ジャコウネコはコーヒーの実が好物です。しかも上質な実だけを選んで食べるのだそうです。ジャコウネコの体内を通る間にコーヒーの実はほどよく発酵しますが、種は消化されず排泄されます。これを洗浄し、豆を取り出して乾燥、焙煎したものがルアックコーヒーです。安心してください、豆と糞は直接触れていませんので!

インドネシアにおけるコーヒー生産の歴史は、16世紀末ごろから始まります。インドネシアを植民地としていたオランダがコーヒー豆を持ち込み、ジャワ島やスマトラ島にプランテーションを作りました。生産されたコーヒー豆は、専らヨーロッパへ運ばれ、実際に農園で働くインドネシア人には手の届かない飲み物でした。でも、なんとか飲んでみたいと考えたインドネシア人は、農園でコーヒーの実を食い荒らすジャコウネコの糞に、コーヒーの種が消化されずに残っていることに気づきます。「これならいいだろう」と、オランダ人の目を盗んできれいに洗浄し、焙煎して飲んだのがルアックコーヒーの始まりだと言われています。

それが、今では高級品。深いコクと独特の香りを持つルアックコーヒーは、日本で飲めば1杯5,000円もします。現地でなら1杯500円程度で飲めますが、飲んでいるのは国外からの旅行者ばかり。インドネシアの庶民が日常的に飲めるものではないようです。